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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻7号

1997年07月発行

連載 Estrogen Series・17

肝臓障害とホルモン補充療法

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.750 - P.752

文献概要

 肝臓障害にはホルモン補充療法(hormonereplacement therapy:HRT)は禁忌と言われている.英国の著者はこの問題に光りを当てて検討してみた.以下はその要旨と抄訳である.
 肝臓障害をもつ女性に対するエストロゲンの使用は伝統的に避けられてきたが,その理由はおもに胆汁うっ滞(cholestasis)を理論的には発生または促進するからというものである.この理由を裏づける多くのデータは1960年代経口避妊薬(ピル)によるもので,その成分は合成エストロゲン製剤であるethinylestradiolである.この製剤はHRTとしても20年前から使用され,その使用は現在も増加している.ピルのときと同様,その使用は慢性肝臓障害の危険を伴うと正式に警告されていたが,実際にはHRTによる胆汁うっ滞の症例報告はおどろくほど少ない.また,HRTの治療的作用は肝臓障害患者に有利に働く可能性もある.著者はこの問題をもう一度検討してみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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