icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻8号

1997年08月発行

文献概要

今月の臨床 産科における検査法—有用性と再評価 妊娠中期

7.早産予知に胎児性フィブロネクチンは有効か

著者: 金山尚裕1

所属機関: 1浜松医科大学産婦人科

ページ範囲:P.842 - P.843

文献購入ページに移動
 未熟児出生の最大の原因は早産であり,その約7割が前期破水と切迫早産から発生する.前期破水,切迫早産のおもな原因は最近,絨毛羊膜炎であることが明らかになった.絨毛羊膜炎を早期に発見することが早産予防のポイントであると考えられるようになってきた。
 絨毛羊膜炎は腟,頸管からの上行性感染,炎症の波及であることから,腟・頸管の炎症およびその分解物を検出することによりその早期診断が可能である。胎児性フィブロネクチンは,絨毛膜細胞で産生され,絨毛膜と脱落膜の接触面,および羊水に存在する.そしてエンドトキシン,サイトカイン,伸展刺激などの刺激に対して放出される.絨毛膜に炎症反応が広がると,絨毛膜の胎児性フィブロネクチンが分解されて腟分泌液中に漏出されるようになる1).したがって胎児性フィブロネクチンの絨毛羊膜炎に対する診断精度は高いと推測される.胎児性フィブロネクチンを測定することにより早産を予防する試みがすでに米国,欧州では始まっている1,2).胎児性フィブロネクチンの測定が切迫早産の管理上いかなる意義があるのかを検討した結果を以下に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?