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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻8号

1997年08月発行

文献概要

今月の臨床 産科における検査法—有用性と再評価 妊娠末期

3.肩甲難産の予測は可能か

著者: 高木耕一郎1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院産婦人科

ページ範囲:P.862 - P.864

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 肩甲難産(shoulder dystocia)とは,児頭が娩出された後に,通常の分娩介助によっても肩甲が娩出されない状態をいう.その頻度は0.15〜0.3%といわれ,新生児の罹病率は16〜48%と高率である.典型例では,児頭が娩出された直後に,あたかも母体の会陰の中に戻っていくように見える(turtle sign:亀の首が引っ込んでいくという意)といわれている.正常では,児頭が娩出された時点で,肩甲は骨盤斜径に一致し,児頭を後下方に牽引する操作により,速やかに前在の肩甲が恥骨弓下を滑り,娩出される.肩甲難産は,母体骨盤が女性型骨盤以外の例で,肩甲が骨盤前後径に一致して下降する場合や,骨盤出口部に比して児が過大である場合に生ずると考えられている.肩甲難産では,児の呼吸の遅延による新生児仮死や,娩出に困難をきわめた際に生ずる上腕神経麻痺や上腕骨骨折などが問題となる.したがって,本症を事前に予知することが可能であれば,選択的な帝王切開術を行うことにより,これらの合併症を防ぐことが可能となる、本稿では,これまで報告された文献を中心に,肩甲難産の発症の予測の可能性について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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