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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科51巻9号

1997年09月発行

文献概要

連載 カラーグラフ 実践的な腹腔鏡下手術・9

TLM(Total Laparoscopic Myomectomy):Ⅰ—ハーモニック・スカルペルを用いて

著者: 伊熊健一郎1 子安保喜1 山田幸生1 西尾元宏1

所属機関: 1宝塚市立病院産婦人科

ページ範囲:P.905 - P.907

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 腹腔鏡による子宮筋腫核出術は,基本的には従来の開腹法の場合と同様に過多月経,月経困難症,不妊症などを伴う症例が対象となり,今後は子宮の機能温存を目的とした手術としてさらに普及していく手術になると考えている,手術に際し,術前のMRI画像所見は筋腫核の状態把握(大きさ,個数,場所など)には必須であり,子宮腺筋症や卵巣腫瘍との鑑別にも有用である.そのうえで,一般的には開腹手術に比べて侵襲が少ないと考えられる症例が腹腟鏡下手術の対象となる.しかし,筋腫核の最大径が5cm以上,個数が3個以上,発育場所が子宮後壁下部,といった内容から手術時間の延長や出血のリスクも高いと考えられる症例は,原則として開腹手術の適応となる.
 TLM(全腹腔鏡下子宮筋腫核出術)に際しては,①まず鉗子操作による筋腫核の状態の評価,②視野確保や手術操作が可能かどうかの判断,③適応要件を満たさずむりな場合には開腹手術への切り替え,などを確認したうえで筋腫核出の手術操作に移る.また,筋腫核出の手術手順に関しては,下の模式図に示したように①腹腔内の観察,②子宮筋層の切開,③筋腫の核出,④筋層の縫合修復,⑤筋腫核の回収,⑥洗浄と最終確認,⑦症例により癒着防止にはペリプラスト®(ヘキスト)の塗布またはインターシード®(エチコン)の貼付,ドレーン留置をして手術を終える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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