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今月の臨床 婦人科における検査法—有用性と再評価 不妊
1.クラミジア抗体陰性,抗体陽性の場合の治療とその有用性
著者: 野口昌良1
所属機関: 1愛知医科大学産婦人科
ページ範囲:P.910 - P.912
文献購入ページに移動 クラミジア・トラコマティス感染症ほど1980年代以降,不妊症とのかかわりについて,認識の改められた性感染症はないといっても過言ではない.1986年クラミジア・トラコマティス感染症と卵管性不妊症の関連を筆者がはじめて日本不妊学会誌に投稿した頃には,不妊症を扱う学者の間でも,半信半疑の状態であったほどである1).それから15年あまりの年月が経過し,今では卵管性不妊症発症の原因として,クラミジア・トラコマティス感染の存在などを抜きにしては考えられないところまできている.
とはいえ,クラミジア・トラコマティス感染者の頻度の高さに比べて初感染時の臨床症状が乏しいために,卵管性不妊症の最大の原因がクラミジア由来であるにもかかわらず,特異性の高い検査法が開発されても,適切な検査時期にタイミングのよい検査が行われないため,いまだにはっきりとした検査マニュアルができないままである.この点に留意して不妊症患者を前にしたときにクラミジア感染の有無をどう捉え,どう対応すべきかを考えてみたい(表1).
とはいえ,クラミジア・トラコマティス感染者の頻度の高さに比べて初感染時の臨床症状が乏しいために,卵管性不妊症の最大の原因がクラミジア由来であるにもかかわらず,特異性の高い検査法が開発されても,適切な検査時期にタイミングのよい検査が行われないため,いまだにはっきりとした検査マニュアルができないままである.この点に留意して不妊症患者を前にしたときにクラミジア感染の有無をどう捉え,どう対応すべきかを考えてみたい(表1).
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