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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻10号

1998年10月発行

今月の臨床 羊水

羊水の生物学

1.羊水循環と制御の仕組み

著者: 海野信也1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科

ページ範囲:P.1236 - P.1239

文献概要

 羊水腔は羊膜および絨毛膜という胎児由来組織によって覆われている.したがって羊水腔は胎児の体液compartmentの一つと考えることができる.羊水量の異常は胎児の異常,妊娠の予後と密接に関連しており,その適切な診断と管理は周産期予後を改善するうえできわめて重要である.水代謝異常が胎児特有の病態の発症機序の重要な要素となり,胎児水腫と羊水過多は高率に合併する.このような胎児水代謝異常の病態を理解するためには,胎児期に特有な水代謝の生理学についての理解が必要である.
 本稿の目的は羊水循環とその制御に関して概説することであるが,その理解を助けるために,羊水腔がその一部を構成する胎児水代謝系全体を俯瞰したうえで,その相互関係を検討する.羊水循環については,これまでBrace RAらのグループとRoss MGらのグループが中心となって羊胎仔を用いて行った実験によって多くの知見が蓄積されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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