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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻10号

1998年10月発行

文献概要

連載 OBSTETRIC NEWS

妊娠中のHCVルーチン検査の有用性に対する疑問

著者: 武久徹

所属機関:

ページ範囲:P.1304 - P.1305

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 C型肝炎感染者は世界中で1億人(米国では350万人)と概算されており(Semin Liver Dis15:5,1995),“the world�s greatest killers”(Time, Fall 1996)と憂慮されている.また,妊婦のHCV抗体陽性率は,日本0.6〜1%(TohokuJ Exp Med 171:195, 1991;BiomedPhamacother 49:59,1995),米国4.5%(Ann IntMed 117:881,1992),イタリア2.5%(Eur J ClinMicro Infect Dis 15:116,1996)と,調査された対象や地域によって頻度に差があることがうかがわれる.
 主にHCVが混入した血液製剤や非経口的薬剤使用,医療従事者が針を誤って刺した場合(感染率:1.2〜10%)(Am J Infect Control 23:273,1995;Ann Intern Med:115:367,1991;He—patology 16:1109,1992)などにHCV感染が発生する.しかし,これらの原因は,報告されているHCV症例数の約50%にしかならない(JAMA264:2231,1990).したがって,他にも感染経路があることが想像される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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