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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻10号

1998年10月発行

文献概要

連載 産婦人科キーワード・18

精巣上体精子回収術

著者: 中川浩次1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.1314 - P.1314

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MESA
 “メサ”と呼び,microsurgical epididymalsperm aspirationの頭文字を並べたものである.あえて日本語にすると“精巣上体精子回収術(法)”であり,外科的に精子を精巣上体から回収する方法である.ICSI(卵細胞質内精子注入法)の出現によりそれまで治療不可能であった重症乏精子症までも治療が可能となった.しかし,ICSIも万能ではない.つまり精子を手に入れることができなければ,ICSIもその威力を発揮することができないことになる.男性不妊症のうち,その約1割は射精精液中に精子が認められない閉塞性無精子症といわれており1),そのような症例に対して精子(運動精子)を得るためにMESAが必要となる.ヒトにおいては,1985年にMESAにより回収した精巣上体精子を用いた体外受精が行われ,初めて健児を得た2).また1994年には,ICSIによる成功例が報告されている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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