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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻11号

1998年11月発行

文献概要

今月の臨床 HRT—ベストテクニック HRT施行時の検査

2.ホルモン濃度の測定は必要か

著者: 安井敏之1 青野敏博1

所属機関: 1徳島大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1374 - P.1376

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 更年期障害や萎縮性腟炎の治療,骨減少症や骨粗鬆症および高脂血症の予防ならびに治療として,HRTが普及してきている.HRT施行中にこれらの効果を評価するためには,症状の改善,骨量や血中のコレステロール値の変化を指標に,また副作用については性器出血や乳房痛の程度を指標に判断することができ,臨床の場においてはこれらの指標で十分診療に役立っているように思われる.そのため,HRT施行中にホルモン濃度を測定することは果たして必要であるのかについての疑問が生ずる.
 しかし,HRTを施行する目的は個人個人によって異なっており,一様ではない.すなわち,ある患者は血管運動神経症状の改善のためであり,また別の患者は骨粗鬆症の治療を目的とする.さらに同じ量のホルモンを投与してもすべての患者に同じ効果が認められるとは限らず,太田ら1)が報告しているように,骨量についてはHRTに反応が認められない群も存在する.そのため患者にあったHRTを考えるのであれば,各組織におけるエストラジオールの最小有効濃度を考慮し,それをモニターしながら血管運動神経症状,骨代謝,脂質代謝をみていく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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