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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻11号

1998年11月発行

連載 産婦人科キーワード・20

卵細胞質内精子注入法

著者: 中川浩次1

所属機関: 1徳島大学

ページ範囲:P.1414 - P.1415

文献概要

ICSI(イクシー)
 ICSIを“アイシーエスアイ”とよぶ産婦人科医はいないと言っていいほど,今や“イクシー”という言葉は有名である.それほどICSIの出現はセンセーショナルであり,治療不可能な不妊症は理論上なくなったと考えられる.“イクシー”とは,intracytoplasmic sperm injectionの頭文字を順に並べたものである.日本語に訳すと“卵細胞質内精子注入法”であり,顕微授精法の一種である.顕微授精とは顕微受精ではなく顕微授精と書く.‘fertilization’を‘受精’と訳し,‘insemination’を‘授精・媒精’と訳すところから,“microinsemina—tion”を訳す際に“顕微授精”となったと考えられる.受精は精(子)を受けることであり,授精は精(子)を授けることであり,その意味は異なり,ICSIとは精子を卵子の中に強制的に注入する,つまり後者の‘授ける’である.なぜ“顕微媒精”とならなかったのかは不明であるが,日本語はうまくできていると感心させられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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