icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻11号

1998年11月発行

原著

バルトリン腺嚢腫および膿瘍の超音波断層像と超音波検査の有用性について

著者: 村尾文規1 迫田良一1 瀬戸学1

所属機関: 1庄原赤十字病院産婦人科

ページ範囲:P.1431 - P.1435

文献概要

 外陰部には,バルトリン腺嚢腫をはじめ,inclu—sion cyst, sebaceous cyst, mucinous cyst, cyst ofcanal of Nuckなどの嚢腫状の異常を生ずることがあり,鑑別には慎重でなければならない.本研究ではバルトリン腺嚢腫を中心に,その超音波断層像の特徴について検討した.本症では無エコー域を呈するものと点状ないし無構造の内部エコーを伴うものとに大別することができた.無エコー域を呈した症例にはその後膿瘍を発生する頻度が高く,内部エコーを伴う症例ではその後,新たな炎症の発生,増悪がみられる頻度が低いことから,内部エコーは,過去に生じた炎症に由来する炎症性物質がエコー源となっている可能性があるが,炎症はすでに終息していると考えられた.毛嚢炎,脂腺嚢腫,血腫などでも本症と酷似したエコーパターンを示すことがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら