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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻12号

1998年12月発行

今月の臨床 内視鏡手術—どこまで進んだか

概説

1.婦人科領域における腹腔鏡下手術の理念と臨床的意義

著者: 杉並洋1

所属機関: 1国立京都病院臨床研究部

ページ範囲:P.1448 - P.1453

文献概要

腹腔鏡下手術の歴史
 腹腔鏡下手術は,Nitze13)の膀胱鏡の開発にその起源を発している.彼は開発した膀胱鏡を用いて開腹することなく膀胱結石を除去することに成功した.Jacobaeus8)はNitzeの膀胱鏡を利用して腹腔内を観察した.対象患者17例はいずれも腹水を貯留していたのであるが,気腹することなく腹腔内を観察することに成功した.腹腔内の観察をより容易にしたのがVeress18)の気腹針の開発である.彼は結核に対する気胸療法を目的としてこの針を開発したのであるが,この針を用いた気腹法の確立が腹腔鏡下手術の発展に大きく貢献している.
 婦人科領域における最初の腹腔鏡下手術の報告はHope6)によって行われた.彼は腹腔鏡を用いることにより開腹せずに子宮外妊娠の診断が可能であることを証明した.また,Power&Barnes15)は腹腔鏡下卵管避妊を実施した.Decker &Cherry3)は,患者に膝胸位をとらせ後腟円蓋を介してダグラス窩に腹腔鏡を挿入する,いわゆるculdoscopyを開発した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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