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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻2号

1998年02月発行

今月の臨床 腫瘍マーカーは何を語るか

腫瘍マーカーの特性

6.腫瘍マーカーとしての糖転移酵素—癌関連ガラクトース転移酵素の臨床的意義

著者: 宇田川康博1 植嶋孝夫2 青木大輔1 野澤志朗1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科 2コニカ(株)

ページ範囲:P.154 - P.157

文献概要

 GAT(癌関連ガラクトース転移酵素)は正常のガラクトース転移酵素(以下,GalTと略す)とは異なり,自己会合しやすい性質を持つことを特徴とした癌関連イソ酵素である.GATは正常のGalTと同一の遺伝子産物ではあるが,細胞内GalTが可溶型GalTとして体液中に放出される過程において,なんらかの癌性変化に伴い通常とは異なった部位で切断を受け,正常のGalTより長いN末端を残したままで体液中に放出されたものであると考えられている.また,GATは癌特異性が高いことを特徴とした腫瘍マーカーであり,卵巣腫瘍の良・悪性の鑑別診断において有用なマーカーとなりうることが報告されてきた1-3)
 内膜症性嚢胞患者の増加などにより,初診時に内膜症性嚢胞と診断された症例から発見される卵巣癌症例が無視できない割合で存在すると言われているが,最近,GATがこの診断において有用なマーカーとなりうるのではないかと考えられている4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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