臨床婦人科産科52巻2号

1998年02月発行

薬の臨床

前期破水した産婦人科感染症におけるCefdinir （CFDN）の母体血・臍帯血中濃度と有効性

著者： 野平知良¹ 磯和男¹ 井坂恵一¹ 高山雅臣¹

所属機関： ¹東京医科大学附属病院産婦人科

ページ範囲：P.237 - P.242

文献概要

　妊娠36週で前期破水を来たして入院した患者53例に対しcefdinirの100mgを経口投与し，母体血および臍帯血中濃度を測定した．単回投与時の母体血中濃度は0.084〜2.41μg／ml，臍帯血中濃度は0.043〜1.13μg／mlに対し，連続投与時のそれはそれぞれ0.082〜2.35μg／mlおよび0.04〜1.09μg／mlであった．なお，連続投与による蓄積性は認められなかった．羊水中濃度を測定した4例では2例に0.477および0.558μg／mlが検出された．本剤の単回および連続投与した53例のうち5例に子宮感染を認めたため，有効率は90.5％であった．