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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻3号

1998年03月発行

今月の臨床 産科と凝固異常

Overview

1.産科診療における凝固異常の現況

著者: 寺尾俊彦1

所属機関: 1浜松医科大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.254 - P.263

文献概要

 生理的な出血を伴う分娩には,それに適応した生理的な血液凝固機構が作用している.妊娠時には妊娠に適応した血液凝固機構が作用して,出血死することなく無事分娩を終了させる合目的的な働きがある.しかし,これがときに病的過凝固状態となり血管内凝固症候群(DIC)を引き起こしたり,血栓症の原因ともなる.
 また,血液凝固機構は単に出血を止めるだけではなく,生殖現象そのものに深くかかわっている.血液凝固因子は止血因子であると同時に接着因子であり,着床,胎盤と子宮との接着による妊娠維持に作用しているからである.したがって,ある種の凝固因子が先天性に欠損している場合には必ず流産してしまう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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