文献詳細
今月の臨床 産科と凝固異常
凝固線溶異常の治療
4.妊娠中毒症(preeclampsia)発症に対する低用量アスピリンの予防効果?—その基礎と臨床
著者: 日高敦夫1 中本収1
所属機関: 1大阪市立総合医療センター産婦人科
ページ範囲:P.350 - P.353
文献概要
すなわち,血液の流動性を支配するヘモレオロギーとしての赤血球や白血球の変形能の低下,また血小板や白血球の粘着能や凝集能の高まり,そしてこれらの変化とリンクする血管内皮機能のもつ抗血栓作用や血管弛緩作用の障害などがみられる.こうした血管内皮機能の障害は,NO産生低下3)に加えてPGI2産生低下とTXA2産生亢進がみられ,同時に細胞障害をさらに増悪させるlipidperoxidesの上昇とantioxidantsの低下を伴い4),いっそうTXA2合成を活性化させることになる.
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