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連載 産婦人科キーワード・6
コロニー刺激因子
著者: 鎌田正晴1 古本博孝1 青野敏博1
所属機関: 1徳島大学
ページ範囲:P.358 - P.359
文献購入ページに移動軟寒天などの培地で骨髄細胞を一つずつ固定して培養すると,分裂増殖した細胞は,肉眼的に観察できる細胞集塊(コロニー)を形成する.“col—ony”とは,「植民都市」を意味するギリシア語である.そのコロニーを作るもとの未熟な造血前駆細胞をコロニー形成単位(colony forming unit:CFU)あるいは細胞(CFC)といい,CFUに作用してコロニーを作らせる物質がコロニー刺激因子(colony stimulating factor:CSF)である.例えば顆粒球(granulocyte)のコロニーは,CFU—granulocyte(CFU-G)にG-CSFが作用して形成される.その他,CFU-M(マクロファージ,macrophage)を刺激するM-CSF,CFU-GMに作用するGM-CSFがある.“granulum”は,「砕く」という原義から「小さな粒」を意味し,“macro”および“phag”は,それぞれ「大きい」,「食べる」を意味するギリシア語である.
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