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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻3号

1998年03月発行

症例

Lewis(a+b+)型を呈し,CA19-9の著明高値を伴った傍卵巣嚢胞

著者: 小口健一1 山本律1 藤野敬史1 奥山和彦1 晴山仁志1 佐川正1 牧野田知1 藤本征一郎1

所属機関: 1北海道大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.365 - P.367

文献概要

 症例は41歳,未婚,0妊.下腹部痛の主訴にて精査中,右卵巣腫瘍を指摘され当科を紹介された.超音波診断は一部に乳頭状増殖を疑う嚢胞性腫瘍であり,腫瘍マーカー検索にてCAI25 243.5U/ml, CAI9-9 84,463.0U/mlの陽性所見を認めた.右卵巣悪性腫瘍の診断で開腹術を施行した.摘出腫瘍の病理組織学診断は傍卵巣嚢胞であり,免疫組織学的染色にて腫瘍上皮にCAI9-9の局在を認めた.また術後,腫瘍マーカーは速やかに低下し正常化した.本症例のLewis血液型はきわめてまれなLewis(a+b+)型であったが,抗原基の由来からLewis(a-b+)型に近いものと考え,CAI9-9の異常高値を呈したものと解釈した.婦人科系腫瘍におけるCAI9-9の測定値を評価するにあたってはLewis式血液型との照合が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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