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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻4号

1998年04月発行

今月の臨床 経腟超音波を使いこなす

経腟超音波診断の基礎知識とコツ

4.卵巣の描写,および卵管・骨盤内血管の同定

著者: 原量宏1

所属機関: 1香川医科大学母子科学

ページ範囲:P.394 - P.396

文献概要

卵巣の描写
・卵巣は子宮体部両側に左右対称に位置し,子宮体部とは固有卵巣索(ligamentum ovarii pro—prium)で,骨盤側壁とは卵巣堤索(ligamentumsuspensorium ovarii),臨床的には骨盤漏斗靱帯(ligamentum infundibulopelvicum)により連結されている.卵巣の大きさは個人差,左右差があるが,長さ2.5〜4.0cm,幅1.0〜2.0cm,厚さ0.6〜1.1cm,重さは5〜6 g程度である.卵巣へ流入する動脈は,卵巣動脈(arteriaovarica)と子宮動脈の卵巣枝(arteria uterina,ramus ovaricus)の二つがある.卵巣動脈は大動脈の腎動脈分岐部直下から分岐し(左右腎動脈から直接分岐する場合もある),卵巣堤索内を通り両側卵巣に達する.静脈は動脈にほぼ平行して走行する.子宮動脈卵巣枝は,卵管角付近で子宮動脈上行枝から卵管枝と卵巣枝に分かれた後,固有卵巣索に沿って卵巣に達する.
・卵巣の位置は個人差(とくに経産婦)が多いが,初産婦では総腸骨動静脈が内・外腸骨動静脈に分岐する三角部,いわゆる卵巣窩(fossa ovar—ica, fossa of Waldyer)に位置することが多い1)(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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