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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻4号

1998年04月発行

今月の臨床 経腟超音波を使いこなす

産科での活用

16.産褥子宮の観察

著者: 宮崎聡美1 坂井昌人1 岡井崇1

所属機関: 1総合母子保健センター愛育病院産婦人科

ページ範囲:P.512 - P.515

文献概要

この疾患の特徴
・産褥子宮を経腟走査法で観察することは従来あまり行われていなかったが,子宮内の状態の把握には優れた方法である.とくに産褥における出血の原因のひとつである胎盤遺残や胎盤ポリープがある場合,その発見に有用である.遺残した胎盤が多い場合や胎盤ポリープがある場合はそれを除去する必要があるが,いずれも安易に施行すると子宮穿孔や大出血を併発し,母体に重篤な合併症をもたらす危険性がある.また,産褥の子宮内容除去術は子宮内感染の原因となりうる.
・Dewhurstは産褥に出血のみられた患者89人に子宮内容除去術を行い,そのうちの32%にしか胎盤組織を認められなかったと報告している1).また,Leeらはこのことを確認するために産褥に出血のみられた56人に超音波断層法を施行し胎盤遺残があると認められた14人(25%)にのみ子宮内容除去術を行った.そのうちの9人に胎盤遺残が認められ,5人に血腫が認められた.超音波断層法で胎盤遺残が認められなかった残りの42人は保存的治療のみとしたが,すべての症例が軽快したと報告している2).本稿ではこれらの疾患の診断と,子宮内容除去術の必要性を判断する手段としての経腟走査法の有用性を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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