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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻4号

1998年04月発行

今月の臨床 経腟超音波を使いこなす

不妊症治療への応用

3.OHSSの診断

著者: 田辺清男1 山本百合恵1 酒井のぞみ1 浜谷敏生1 吉村𣳾典1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.531 - P.537

文献概要

 排卵誘発剤の開発は,最近の体外受精—胚移植と顕微授精の両技術の開発と並んで,近年における生殖医学・医療の分野で最も価値のある進歩であることは,誰しもが認めるところである.すなわち,挙児を希望する排卵障害の女性での排卵誘発は,排卵誘発剤開発以前ではほとんど妊娠することができなかった女性においても妊娠することが可能となった,最も価値のある治療法の一つであり,全世界で多くの女性に福音がもたらされた.
 このように排卵誘発剤は不妊の女性には非常に有効な治療法ではあるが,卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome:OHSS)が高率に発生し,重症化すると女性の生命をも危うくすることから,最近では社会的な問題ともなっている.また,排卵障害患者や体外受精では多胎妊娠が多く,多胎妊娠では早産になりやすいことと相まって低出生体重児が出生しやすい.低出生体重児における死亡率や罹病率の増加は,経済的にも重大な問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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