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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻4号

1998年04月発行

今月の臨床 経腟超音波を使いこなす

婦人科腫瘍の鑑別診断

12.出血性黄体嚢胞

著者: 小林浩一1 木下勝之1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科

ページ範囲:P.616 - P.620

文献概要

この疾患の特徴
・超音波経腟走査法の発達により,とくに付属器領域の診断能力は飛躍的に向上した.これにより,比較的小さな腫瘤の検出も可能となった.出血性黄体嚢胞もそのひとつであるが,しばしば超音波画像上でさまざまなパターンを呈するため,診断に苦慮することがある.
・出血性黄体嚢胞を,①卵胞期に主席卵胞が観察された位置と一致した位置に存在する嚢胞で,卵胞期にはまったく確認されず,黄体期にはじめて確認されること,②卵胞期末期の主席卵胞の平均径よりも嚢胞の平均径が大きく,嚢胞の平均径が20mm以上であること,と定義すると不妊症治療患者の20.7%に出血性黄体嚢胞が観察され,その出現頻度は治療薬剤にはあまり影響されなかった(表1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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