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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻5号

1998年05月発行

文献概要

今月の臨床 早産対策—いま臨床医ができること 早産をどう理解するか

1.早産の疫学

著者: 藤森敬也1 柳田薫1 佐藤章1

所属機関: 1福島県立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.659 - P.663

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 早産は,未熟児出生,感染症など,われわれ周産期医が日常直面する数々の問題を多く含んだ病態であり,抗生物質,ステロイドの使用,tocolysisなど,早産管理に関してでもいまだcontroversialな点が多い疾患である.人工サーファクタントの使用に代表される未熟児医療の進歩に伴い,以前にはintact survivalが得られなかったpreterminfantに対してもかなり期待が持てるようになってきた.事実,早産の定義が妊娠24週からであったのが妊娠22週に改められたのは,ひとえに未熟児医療の進歩による.
 早産の原因は単一であることは珍しく,いくつかの原因が絡み合って起こる場合が多い.最近では未破水症例にもかかわらず絨毛羊膜炎が先行し,その際,産生されたprostaglandinが子宮収縮を起こすという概念が定着している.しかしながら,切迫早産症例において羊水培養の陽性率が低率であること,抗生物質投与による妊娠延長の効果が期待できないことなど,切迫早産を感染症と決めるには今後のさらなる検討が必要と言わざるを得ない.いずれにせよ,いくつかの原因の可能性を考慮しつつ,十分にその病態を検討,把握することが重要と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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