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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻5号

1998年05月発行

文献概要

今月の臨床 早産対策—いま臨床医ができること 早産をどう理解するか

3.早産治療のストラテジー—preterm PROMの予防は可能か

著者: 佐川正1 古田伊都子1 藤本征一郎1

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.668 - P.673

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 1990年1月より1996年12月までに当科で早産期の前期破水(preterm PROM)と診断された82人(全分娩数の3.1%)について検討すると,妊娠28週未満の破水例では,破水から児娩出までの時間が他の破水時期よりも有意に長く,待機的に管理された症例が多いことがわかる(図1).また,破水後,抗生剤投与は74人(90.2%)に,tocolysisは43人(52.4%)に,dexamethasone投与は18人(22.0%)に,羊水補充療法・プロムフェンス®などの装着は8人(9.8%)に行われ,これらの治療の有無と破水した妊娠時期との間には有意な関連が認められた.
 このようにpreterm PROM症例では,破水した妊娠週数が早いほど待機的かつintensiveな治療が行われる.しかし,妊娠28週未満の破水例では絨毛羊膜炎(CAM)と陣痛抑制困難がterminationの理由として最も多く(表1),この時期のpreterm PROMの管理の難しさを表している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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