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今月の臨床 卵管性不妊症への対応 外科的治療
1.マイクロサージェリーによる卵管形成術—間質部閉塞—CUSAを用いた簡易子宮卵管吻合術について
著者: 長田尚夫1
所属機関: 1日本大学医学部附属駿河台病院産婦人科
ページ範囲:P.824 - P.827
文献購入ページに移動 卵管性不妊を取り巻く生殖医学は,この20年間に長足の進歩を遂げた.1976年Swollinによって初めて試みられたマイクロサージェリーによる卵管形成術,1978年Steptoe,Edwardsによって初めて成功した体外受精による胚移植,低侵襲手術である腹腔鏡下卵管形成術などさまざまな治療法が登場し全世界に普及してきた.しかし,これらの治療法の選択の基準は,施設によって異なる.とくに間質部卵管閉塞の多くは,体外受精による胚移植の適応となっているのが現状である.マイクロサージェリーによる卵管形成術が敬遠される理由には,体外受精による胚移植が非常に普及したこと,間質部卵管閉塞の治療法である子宮卵管移植術(卵管角吻合術1),子宮卵管吻合術2)など)の成績が期待していたほどよくないこと,子宮外妊娠の発生頻度が比較的に高いこと,手術手技が困難であることなどが挙げられる.しかし体外受精による胚移植の成績も頭打ちとなった今日,卵管形成術も改めて見直されてきている.その理由には,腹腔鏡下卵管形成術や卵管カテテリゼーション3)などの低侵襲手術療法の登場がある.もちろん妊娠の成立機序が自然であり,繰り返し妊娠が可能である利点もある.
ここでは,間質部卵管閉塞に対して施行する治療法ならびに子宮卵管吻合術を容易かつ確実に行えるように,CUSA(ultrasonic surgical aspira—tion)を用いて行う方法などを紹介する.
ここでは,間質部卵管閉塞に対して施行する治療法ならびに子宮卵管吻合術を容易かつ確実に行えるように,CUSA(ultrasonic surgical aspira—tion)を用いて行う方法などを紹介する.
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