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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻6号

1998年06月発行

連載 Estrogen Series・27

エストロゲンの長期的投与と乳癌発生

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.863 - P.865

文献概要

第一部
 更年期後のホルモン補充療法に関する最大の関心事は,それが乳癌の発生を増加させるかどうかという点であろう.エストロゲンが乳癌の発生を促すということの生物学的根拠は十分にある.まず,エストロゲンは乳腺細胞の分裂を促す1).初経が早い場合,あるいは更年期が遅い場合ではエストロゲンにさらされる期間が延長し,乳癌発生率が増加する2,3).さらに血清エストラジオール値が高い場合には,それだけ乳癌発生のリスクを高める4).HRTと乳癌の関係はいろいろな方向から調査されているが,最近のメタアナリシスでは,その短期的使用は乳癌発生を増加させないという結論であった.
 それではHRTを長期的に使用した場合の影響はどうであろうか?HRTの長期的使用を対象としたメタアナリシスの結論は,乳癌発生頻度はHRTの使用期間と比例し,それが10年以上の場合には25〜30%の増加をみる,というものである5-7)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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