icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻7号

1998年07月発行

今月の臨床 難治性細菌感染症

婦人科の難治性感染症

6.骨盤腹膜炎

著者: 竹島信宏1 陳瑞東1

所属機関: 1癌研究会附属病院婦人科

ページ範囲:P.932 - P.933

文献概要

概念および原因
 膀胱子宮窩,子宮,卵管,ダグラス窩,直腸,S状結腸の表面を覆う腹膜の炎症を骨盤腹膜炎と総称している.この骨盤腹膜炎を含む付属器炎,付属器膿瘍,ダグラス窩膿瘍などをPID(pelvicinflammatory disease)と統括して呼ぶことも多い.骨盤腹膜炎は,通常,上行性感染であり,子宮内感染から,付属器炎,さらに骨盤腹膜炎へと進展する場合が多いとされるが,これ以外にも外科的疾患やその他さまざまな原因が報告されている.表1には主な原因疾患を示したが,子宮体部細胞診1),子宮卵管造影2),腹腔鏡検査3)などの医学的処置が原因と思われる骨盤腹膜炎や,まれには大網膿瘍4),横隔膜下膿瘍5)などの合併も報告されている.また,婦人科手術の術後にみられるものとしては,広汎性子宮全摘後の骨盤死腔炎,あるいはリンパ節郭清後のリンパ嚢胞炎などから,骨盤腹膜炎へと発展するものなどが挙げられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら