icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻7号

1998年07月発行

今月の臨床 難治性細菌感染症

産科の難治性感染症

7.妊婦のリステリア感染症

著者: 竹田善治1 坂井昌人1 岡井崇1

所属機関: 1総合母子保健センター愛育病院産婦人科

ページ範囲:P.954 - P.955

文献概要

 リステリア感染症はグラム陽性短桿菌であるリステリア菌(Listeria monocytogenes)による感染症である.妊婦における本疾患の特徴は,症状が発熱,感冒様症状など比較的軽微で,非特異的であるにもかかわらず,児に対しては流早産や子宮内胎児死亡,早期新生児死亡など重篤な合併症を起こすことである.症状に乏しい感染母体から胎児に経胎盤感染を起こすため,妊娠中の診断が困難であることや,胎児への感染後の経過が非常に急速であることが児の予後を不良にしている要因である.このため本症の迅速な診断・治療が望まれるが,現在のところ母体血や羊水培養などから直接リステリア菌を証明する以外に診断を確定する一般的な検査法はない.
 本稿ではリステリア症の早期診断のための手がかりとなる症状,検査上の特徴および治療などについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら