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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻8号

1998年08月発行

今月の臨床 サイトカインと産婦人科

サイトカインの生物学

2.サイトカインの作用メカニズムと新しいサイトカイン

著者: 大本安一1

所属機関: 1大塚製薬(株)細胞工学研究所

ページ範囲:P.1020 - P.1023

文献概要

サイトカインの作用メカニズム
 サイトカインの作用メカニズムは標的細胞上のレセプターを介して伝達される.したがってサイトカインの多彩な作用は,種々の機能を持ついろいろな分化段階の細胞のレセプターに結合することから始まる.サイトカインレセプターは,構造によっていろいろなファミリーに分類されている(表1).次に,サイトカインはレセプターと結合してシグナルが伝達される.そのシグナル伝達経路は,JAK/STAT(Signal Transducers andActivators of Transcription)系1),Ras/MAP(Mitogen-Activated Protein)キナーゼ系2)とイノシトールリン脂質系3)の三つが明らかになっている(図1).
 1)JAK/STAT系はインターフェロンで研究がなされ,レセプターに結合するとJAKチロシンキナーゼが細胞質内の転写因子STATのチロシンリン酸化を誘導する.リン酸化されたSTATはホモあるいはヘテロダイマーを形成し,核内に移行し標的になる遺伝子の認識配列に結合して遺伝子発現を誘導する.JAKキナーゼとSTATにはファミリーがあり,それぞれJAK1〜3,Tyk2の4種類とSTAT1〜6の6種類がある.サイトカインによって活性化されるJAK/STATの組み合わせがあることで特異性が説明されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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