文献詳細
今月の臨床 サイトカインと産婦人科
性機能とサイトカイン
文献概要
サイトカインのなかでも下垂体ゴナドトロピンへの作用が報告されているのは主にインターロイキン(IL−1,IL−2,IL−6,IL−8)である.概念的にはインターロイキンは「白血球系で分泌される局所調節因子」であるが,蛋白分子としてホルモンや成長因子との間に厳密な境界はない,同一の分子がときにホルモン産生・分泌に影響を与える局所調節因子(ホルモン,成長因子)として分泌され,あるいは純然たるインターロイキンとして免疫系組織内で局所調節に携わっている.しかし,一方で免疫系の異常に呼応して内分泌系にも生理的変化が起こることはよく知られており,このようなときにサイトカインが内分泌系に作用するという仮説は,免疫系と内分泌系のクロストークとして興味深く検討されている.
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