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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻8号

1998年08月発行

今月の臨床 サイトカインと産婦人科

性機能とサイトカイン

2.卵胞発育とサイトカイン

著者: 久慈直昭1 高橋純1 吉村𣳾典1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1027 - P.1029

文献概要

性成熟期における卵胞発育(図1)
 性成熟期卵巣にある最も未熟な卵子は,1層の卵胞上皮(顆粒膜細胞)に包まれている(restingfollicle).時間とともに卵胞上皮は増殖し,直径0.1〜0.2mmとなると基底膜の外側に上皮様間質細胞が出現し,同時に小動脈により灌流されるようになって血流からのホルモン作用を直接受けることになるが,卵胞腔はまだ出現していない(preantral follicle).
 preantral follicleはまたclass 1の卵胞とよばれ,次第に卵胞腔を形成して約65日かけて直径2mmに達する(class 5).この時期まで達した複数の卵胞はFSHに反応するようになり,卵胞腔はさらに拡張して5mmに達すると(class 6),そのうちの一つが急速に発育して他の卵胞は閉鎖過程に入る.5mm以下の卵胞では卵胞液中のステロイドはアンドロゲンが主であるが,5mm以上の卵胞では次第にエストロゲンが増加し,顆粒膜細胞の増殖はピークに達する.さらに卵胞期後期には顆粒膜細胞にLH受容体が発現するようになり,直径16〜20mm(class 8)となってLHサージを待つ状態となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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