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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻8号

1998年08月発行

今月の臨床 サイトカインと産婦人科

生殖内分泌とサイトカイン

3.骨粗鬆症とサイトカイン

著者: 太田博明1 野澤志朗1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.1074 - P.1077

文献概要

 血中Ca2+濃度を一定の範囲内に維持するために営まれているカルシウム代謝の中心的役割を担っているのは副甲状腺ホルモン(PTH)である.血中Ca2+濃度が低下すると,直ちにPTHの分泌が促進され,PTHによる骨吸収促進作用により,カルシウムの貯蔵庫である骨からカルシウムが動員される.すなわち,骨が吸収されるわけであるが,この骨吸収に携わっているのが破骨細胞である。骨が吸収された後,骨の局所では骨芽細胞が出現して,骨形成が開始される.すなわち,骨基質蛋白の合成が行われ,この基質にハイドロキシアパタイトの結晶が沈着することによって骨形成は完了する.
 なお,PTHは腎の近位尿細管に存在する1α水酸化酵素の促進をも行う.その結果25(OH) Dから1,25(OH)2Dの産生が高まり,腸管からのカルシウム吸収を促進することによって血中のCa2+が増加し,骨の石灰化に好環境を形成する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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