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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻9号

1998年09月発行

今月の臨床 胎児・新生児のBrain Damage

疫学と病理

1.成熟児脳性麻痺の原因

著者: 二村真秀1

所属機関: 1愛知県心身障害者コロニー中央病院新生児科

ページ範囲:P.1124 - P.1126

文献概要

 近年の新生児医療は,技術の著しい進歩により治療成績の向上には目をみはるものがある.しかしながら今日では,救命することはもちろんのこと,後遺症をいかに防ぐかが,われわれに与えられている最大の課題であろう.後遺症のなかでも脳性麻痺の発症率においては,最近では新生児医療の進歩にもかかわらず減少傾向のみられないことが,わが国のみならず各国において問題となっている.従来,原因としてはさまざまな病態が指摘されてきたが,成熟児(出生体重2,500g以上)においては低酸素虚血性脳症(hypoxic-ischemicencephalopathy:HIE),および極低出生体重児(出生体重1,500g未満)では脳室周囲白室軟化症(peri-ventricular leukomalacia:PVL)が主要なものとなっている.
 本稿においては,成熟児に発生する脳性麻痺に焦点を当てて,発生頻度,機序,原因などを中心に概略を述べることとする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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