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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科52巻9号

1998年09月発行

今月の臨床 胎児・新生児のBrain Damage

新生児期の脳損傷

2.新生児脳障害の脳波診断

著者: 渡辺一功1

所属機関: 1名古屋大学医学部小児科

ページ範囲:P.1175 - P.1177

文献概要

 脳波は脳機能を鋭敏に反映しており,ベッドサイドで簡単に記録できるので,成熟度の判定,腿障害の診断新生児発作の診断,神経学的予後の判定などにきわめて有用である1-8).神経系の発達は原則として受胎後の期間に規定されるので,新生児脳波の判読に際しては日齢ではなく受胎後週齢を基準にする.また脳波は,睡眠覚醒周期に伴って変化するので,すべての睡眠時期,とくに動睡眠と静睡眠の二つの時期を記録し,評価することが重要である.胎生期後半の中枢神経発達はきわめて急速であり,脳波はおよそ2週単位で変化する.したがって受胎後週齢別,睡眠段階別の正常脳波所見を把握しておくことが重要である.睡眠時期の判定は肉眼的観察によってもある程度可能であるが,できればポリグラフを記録することが望ましい.しかし受胎後30週以前では睡眠周期は不明確で,上記どちらの睡眠時期にも属さない不定睡眠が多く,十分な記録時間をとれば,実地診療では必ずしもポリグラフ記録を要しない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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