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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻1号

1999年01月発行

今月の臨床 性の分化とその異常—どこまで解明されたか

性分化のOverview

1.最近のトピック

著者: 星信彦1 半田康1 藤本征一郎1

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.10 - P.19

文献概要

 哺乳類では,ゲノムあたり5〜10万の遺伝子があるといわれ,これに基づいて多種多様な細胞・組織・器官からなる統合体としての個体が形成される.
 個体形成過程には当然,雌雄の分化も含まれる.性分化は個体発生過程における種々の器官における雌雄差,すなわち性差の発現の集積結果と解釈される.雌雄差の発現が滞りなく各器官,組織の細胞で行われるためには統一だった制御システムが必要で,そのシステムはおそらく一見複雑にみえても内実は単純なものであろうと考えられる.複雑すぎれば錯誤が多く,高度な分化さらには進化に多大な支障ないしは偏位をきたすからである.ヒトにおける性分化制御システムに関しては,現在までのところ絶対に正しいとする定説がない.このことは多岐にわたる種々の性分化異常症のすべてを説明しうる画一的概念が存在しないという意味で,性分化機構のすべてがまったく不明というわけではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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