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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻1号

1999年01月発行

文献概要

今月の臨床 性の分化とその異常—どこまで解明されたか 性分化の遺伝子・分子機構

3.中枢の性分化

著者: 新井康允1

所属機関: 1順天堂大学医学部医学教育研究室

ページ範囲:P.42 - P.45

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 神経内分泌調節や性行動にみられる脳の機能的性分化については,ラットなどの多くの実験動物の結果から,周生期の精巣から分泌されるアンドロゲンが脳に働くことによって,下垂体前葉からのゴナドトロピン(Gn)分泌パターンや性行動パターンの性分化の決め手になっていることが明らかにされている.
 ラットなどの場合は,アンドロゲンはそのままの型でニューロンに作用せず,ニューロン内の芳香化酵素の働きで,テストステロンがエストラジオールに転化してから作用する場合が多いとされている.ヒトを含む多くの動物の胎児の視床下部や大脳辺縁系において,芳香化酵素活性が高いことが知られており,ヒトを含む霊長類でも同様なことが起こっている可能性は高い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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