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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻1号

1999年01月発行

今月の臨床 性の分化とその異常—どこまで解明されたか

性分化の遺伝子・分子機構

5.外性器の分化と5α—reductase

著者: 北村雅哉1 奥山明彦1

所属機関: 1大阪大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.56 - P.58

文献概要

5α—reductase
 5α—dihydrotestosterone(以下,DHT)はtes—tosterone(以下,T)よりも強力なアンドロゲン(男性ホルモン)として知られているが,その血中濃度はTの約1/10と低く,また血清蛋白と強く結合するため血中ホルモンとしての重要性は低い.しかし,標的細胞細胞質内では5α—reductase(5α—還元酵素)により,不可逆性にTから変換,産生されており,前立腺などではその組織内濃度はTの約5倍になっている.5α—reductaseの発見は島崎ら1),McGuireら2)の功績であるが,とくに皮膚や前立腺ではDHTへの変換がTの作用発現に必要であり,5α—reductaseは前立腺の発生や外性器の分化に大きな役割を持つ.5α—reductaseは小胞体,あるいは核膜上に存在する分子量28,000〜29,000の疎水性蛋白で,図1に示すように2種類のisozymeがある.
 type 1は第5染色体上にあり,肝臓,皮脂腺で強く発現されているが,欠損症の報告がなく,その生理的機能はいまだ不明である.ノックアウトマウスの場合は雄ではほぼ正常で,雌では胎生期の死亡が多くみられるが,詳細は不明である3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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