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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻1号

1999年01月発行

今月の臨床 性の分化とその異常—どこまで解明されたか

性分化異常の臨床

1.Turner症候群

著者: 髙橋健太郎1

所属機関: 1島根医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.60 - P.63

文献概要

 1938年にHenry Turner1)が,翼状頸や外反肘などの身体奇形と低身長,性腺発育不全を伴った7例の女児を報告し,以後,これらの四つの症状を呈するものをターナー症候群と称し,外表奇形が揃わず,性腺発育不全と尿中ゴナドトロピン高値を示す例は性腺形成不全(gonadal dysgenesis)と呼ばれてきた.しかし,染色体を基調に本症候群は見直されるようになり,基本的にはY染色体成分がないもので,一つのX染色体の短腕の欠損(X染色体短腕モノソミー)と二次性徴の不全が認められれば,広くターナー症候群と呼ばれているのが現状である.
 ターナー症候群の発生頻度は,女子の約2,500名に1名で比較的頻度が高い疾患である2).また,全妊娠の約15%は自然流産に至り,その約半数は染色体異常である.さらにその自然流産胎児の約20%は45,Xの核型を示すことなどから,Xモノソミーは強い致死作用をもち,最終的に出生に至るのは300例中1例と考えられている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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