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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻10号

1999年10月発行

今月の臨床 —リニューアル—帝王切開

帝切の現況

2.帝切の麻酔

著者: 椋棒由紀子1

所属機関: 1東京女子医科大学第二病院麻酔科

ページ範囲:P.1236 - P.1237

文献概要

胎児にもやさしい麻酔とは
 帝王切開術の麻酔は,母体と胎児を同時に管理するためより慎重さが必要とされる.麻酔中の呼吸,循環の変動は子宮胎盤血流に大きく影響するので,母体の低酸素の回避と循環の安定こそが胎児の状態をも安定させる最大のポイントである.母体の気道のトラブルによる低酸素状態のみならず,胎盤早期剥離や前置胎盤の出血やsupinehypotensive syndromeの低血圧では,母体の血圧の急激な低下で子宮血流量が30〜50%減少すると,胎児の低酸素状態を引き起こすといわれる.一方,未熟児,異常妊娠などでは胎児仮死になりやすく,これらの重複により仮死の重症度が増すので,術前状態の把握は重要であるが,緊急帝王切開術では,術前に患者の情報が十分に得られない状況での麻酔方法の選択を迫られることも多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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