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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻11号

1999年11月発行

今月の臨床 不正性器出血—原因と対応

ホルモン異常

2.性成熟期の出血 1)機能性子宮出血

著者: 山辺晋吾1 丸尾猛1

所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.1356 - P.1359

文献概要

 機能性子宮出血(dysfunctional uterine bleed—ing)とは,器質的疾患を伴わない月経以外の子宮からの不正出血をいう.正常月経周期では子宮内膜はエストロゲンとプロゲスチンを中心とした性ステロイドホルモンの影響下に増殖・分化,剥脱・修復を繰り返している.適切な期間,適切な量のエストロゲンとプロゲスチンで刺激された子宮内膜は機能的に安定であり,月経は,エストロゲンとプロゲスチンの消退に引き続き,安定な子宮内膜の機能層の全層が子宮腔全域にわたって剥脱することにより起こる.子宮内膜血管には血栓形成能力があり,また,子宮内膜がプロスタグランジン産生亢進と分泌による子宮収縮の惹起能力があるために,月経は一定期間で止血される.
 一方,機能性子宮出血は,卵巣性や外因性の性ステロイドホルモンの過不足により起こり,その病態からエストロゲン破綻性出血,エストロゲン消退性出血とプロゲスチン破綻性出血の3種類に分類される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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