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今月の臨床 不正性器出血—原因と対応 腫瘍
1.子宮頸癌
著者: 仲沢経夫1 平原史樹1
所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.1370 - P.1372
文献購入ページに移動 産婦人科外来の診療では,不正性器出血は最も多い主訴の一つである.とくに閉経後の婦人では,婦人科癌の最初にあらわれる自覚症状として重要である.悪性新生物が死亡原因の第1位となって久しいが,女性では約5人に1人が癌で命を落としていることになる.1996(平成8年)度の人口動態統計1)によると,肺,肝,大腸の癌で死亡率の増加が著しい.婦人科癌では,乳癌と卵巣癌の増加が目立っている.一方,子宮癌の死亡率は1955(昭和30)年に比べて1996(平成8)年では半減している.日産婦子宮癌登録によれば,子宮癌のうち体癌の占める割合(0期を除く)は,1970年代には約10%であったが,1993年には32.3%まで増加している2).神奈川県産科婦人科医会悪性腫瘍登録でも,1997(平成9)年には体癌の割合は42.5%になっている3).しかも子宮癌の死亡率は,1996年は人口10万対7.8であり,1993(平成5)年の7.0を最低として増加に転じている.いずれにせよ,子宮癌により毎年5,000人近い人が亡くなっており,子宮頸癌が婦人科癌のなかで重要な疾患であることに変わりはない.
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