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今月の臨床 産褥の異常と対策 出血と感染
4.産褥熱
著者: 秦利之1 妹尾大作2
所属機関: 1香川医科大学母子科学講座周産(生)期 2香川医科大学産科婦人科
ページ範囲:P.1464 - P.1466
文献購入ページに移動かつて産褥熱の原因あるいは病態が不明であった頃,産褥熱は妊産婦死亡のきわめて重要な要因であった.しかし,今日,産褥熱の原因菌および感染ルートが臨床的に十分認識され,清潔,不潔の概念に基づいた消毒法の発達と徹底,抗菌作用の強い抗生剤の開発による感染の予防的投与を含めた化学療法の進歩,さらに施設分娩の普及などによって,産褥熱の発症はまれといっても過言ではなくなった.一方,その病態が明確に把握されるようになったことにより,臨床上もおのおのの病型(原因疾患)で診断し病名を記録するのが一般的となり,産褥熱という用語とはますます疎遠になりつつある.
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