icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻12号

1999年12月発行

今月の臨床 産褥の異常と対策

精神疾患

3.「関係性障害」という視点から

著者: 橋本洋子1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院周産期センター

ページ範囲:P.1488 - P.1491

文献概要

関係性障害とは
 赤ちゃんが生まれ育つとき,親は親として生まれ育ち,同時に親と子の関係性も発達していく.親と子の関係性が育まれていく過程は,誰に教えられることもない互いに引き出し合う自然のプロセスである1).この関係性の発達過程が滞ったり歪んだり,親と子の相互作用に悪循環が生じるときなどに,関係性障害をきたすことがある2)
 早期の関係性障害は,臨床的観察によって滑らかな相互作用が行われていない状態と把握できることが多い.子どもの行動に対する親の読み取りが否定的なものに傾いて容易に修復しなかったり,親の主観的な訴えとして「子どもを可愛いと思えない」と述べられたりする場合もある.あるいは子どもが抱かれてもなだまらないとか,目が合わないなどの行動特徴を示したり,摂食や排泄の問題としてあらわれることもある.いずれの場合も,親が原因か子どもが原因かなどと考えるのではなく,関係性の障害としてとらえ,予防や治療を行うことが有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら