icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻12号

1999年12月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

頸管短縮と頸管縫縮術

著者: 武久徹

ページ範囲:P.1530 - P.1531

文献概要

 早産の予知または早産のハイリスク妊婦の診断は数多くの信頼できる研究結果により,有用性があることが証明されている.しかし,早産の予知が可能でも有効な予防手段は限られている.スクリーニングの対象に制限があるが,細菌性腟症の診断と治療は早産率を低下させることが証明されている(ACOG Committee Opinion.No.198,February 1998).しかし,胎児性フィプロネクチン測定(ACOG Committee Opinion#187, Sep—tember 1997)と経腟超音波による頸管長測定(NEJM 334:567,1996)による早産予知の有用性を証明する証拠が数多くあるものの,その後の有効な治療方法がないため,大幅な早産の減少にはつながっていない,考えられる介入方法としては,頸管短縮例に予防的頸管縫縮術を行うことである(表1)(Iams JD,私信,1997年11月).しかし,主に欧州を中心に12か国で行われた大規模な共同研究で,頸管縫縮術は3回以上の早産歴がある例にのみ有効であるという研究(BJOG100:516,1993)にみられるように,頸管縫縮術自体の有用性が明らかとはいえない.また,頸管長測定の落とし穴に留意する必要がある(表2,3).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら