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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻2号

1999年02月発行

文献概要

今月の臨床 GnRH療法の新展開 GnRHアゴニストによる治療—適応基準と問題点

6.子宮内膜症

著者: 丸尾猛1 山辺晋吾1

所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.188 - P.192

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 子宮内膜症とは子宮腔内面にある子宮内膜が骨盤腔内などに異所性に存在する状態を言う.それぞれの病巣部で月経周期が繰り返されるため,腹腔内の炎症の原因となり,患者は月経困難,下腹痛などの症状を訴える.子宮内膜症は散在性の病変であるため,外科的にすべての病変を除去することが容易ではなく,治療後も再発を繰り返す.また,子宮筋腫などと同様にエストロゲン依存性があり,両側卵巣切除後や閉経後にみられることはまれである.
 一方,GnRHアゴニストは体内半減期が短いGnRHのアミノ酸のうち1個または2個を他のアミノ酸に置き換えることにより,長く体内にとどまるように工夫された薬剤である.GnRH療法では,GnRHアゴニストの血中濃度を一定以上のレベルに保つことにより下垂体のGnRHレセプターはダウンレギュレーションを起こし,内因性のGnRHやGnRHアゴニストに対して反応しなくなる.その結果として下垂体からのゴナドトロピン分泌が抑制され,卵巣におけるエストロゲン産生は抑制される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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