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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻2号

1999年02月発行

今月の臨床 GnRH療法の新展開

GnRHアナログ療法のコンプライアンス

2.Add-back療法—どのような場合が適応か

著者: 冠野博1 山本宝1

所属機関: 1京都府立医科大学産婦人科

ページ範囲:P.206 - P.208

文献概要

 GnRHアナログは,多くの良性婦人科疾患,例えば子宮内膜症や子宮筋腫,月経困難症,月経前緊張症,多毛症などへの適応が考えられている.これらの疾患に対し4〜6か月の投薬が行われ,病状は著明に改善する.ところが6か月以上の長期にわたるGnRHアナログの投薬は,低エストロゲン状態を起こし,全身へ悪影響をもたらすために難しいとされている.そこでGnRHアナログにより病状が改善したところでその投薬を中止するが,その後,投薬によって改善した婦人科疾患は,投薬中止によりその多くは再燃してくる.そのためこれらの良性疾患を非観血的に長期にわたって管理するためには,GnRHアナログの中止後,エストロゲン—プロゲストーゲン混合剤やダナゾールなどを投与したり,あるいは鎮痛剤や造血剤など,種々の対症療法薬の使用を視野に入れていかなければならない.
 また,合併症(白血病や再生不良性貧血に罹患し,手術治療を行いにくい子宮内膜症や子宮筋腫症例)がある場合には,6か月以上にわたる長期のGnRHアナログの投薬が望ましい.また6か月以内の使用にかぎっても,GnRHアナログの使用中は,hot flushなどの血管運動神経症状を中心とした更年期様症状が高頻度に出現し,患者がそれに耐えられず,コンプライアンスが悪いという問題があった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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