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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻3号

1999年03月発行

連載 OBSTETRIC NEWS

脳性麻痺の原因に関する“ACOGの四つの基準”は産科医を守ってくれるか?

著者: 武久徹1

所属機関: 1武久産婦人科医院

ページ範囲:P.326 - P.327

文献概要

 適切な産科管理を行っていても,脳性麻痺の原因の約10%は,分娩中の胎児低酸素症が原因である.しかし,残念ながら,英国の整形外科医Littleが1862年に発表した乱暴な仮説一脳性麻痺はほとんど,分娩中の出来事が原因—のために,脳性麻痺は産科医に責任があると妊婦や家族,法律関係者らに信じ込まれ,産科医苦悩の時代が続いてきた.明らかに標準以下の産科管理によって発生したと思われる悲惨な結果は,関係する医療従事者の責任が問われるべきであるが,多くの研究者の科学的検索で,脳性麻痺児の原因が必ずしも分娩中のできごとのみによるのではないことが明らかにされ,脳性麻痺に関する医療訴訟が発生しても,産科医が一方的に責められるケースは減少してきているものと思われる.
 とくに,米国産婦人科学会(ACOG)から会員に配布された見解(“ACOGの四つの基準”)(表1)(ACOG Tech Bull#163,1992)は,産科医にはきわめて力強い見解として受け止められ,日本にACOG会員(Keijiro Yazawa:ハワイ大学産婦人科臨床教授)から紹介されたときは,衝撃と期待をもって,受け入れられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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