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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻4号

1999年04月発行

今月の臨床 婦人科外来

婦人科医としての必須知識

2.月経周期の必須知識

著者: 苛原稔1 青野敏博1

所属機関: 1徳島大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.360 - P.364

文献概要

思春期と初経
 1.思春期発来機序
 女性の思春期とは,乳房の発育や陰毛の発生などの第二次性徴の発現に始まり,初経の発来を経て第二次性徴の完成と生殖機能が完成するまでの期間を指す.だいたい8〜18歳ころまでをいう.
 ヒトを含む哺乳動物では,一定の年齢に達すると思春期が発来する.その機構の詳細は不明であるが,最近の研究では次のように考えられている(図1).すなわち,視床下部からGnRHはパルス状に分泌されるが,小児期にはごく少量のエストロゲンの分泌によりネガティブ・フィードバックがかかり,さらに扁桃核や松果体などの上位中枢からの抑制があるので,視床下部からのGnRHの分泌は抑制されている.それが思春期になると,視床下部のエストロゲンに対する閾値が上昇し,また上位中枢からの抑制が解除されることにより,GnRHのパルス状の分泌が開始し,そのため下垂体からのゴナドトロピン分泌が始まる1).はじめは夜間睡眠時にLHのパルス状分泌が起こることから始まり,次第に1日中分泌がみられるようになる.さらに,下垂体のGnRHに対する反応性が上昇し,FSHも含めたゴナドトロピンの分泌が増加する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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