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今月の臨床 婦人科外来 外来診察と検査
6.クラミジアの検査
著者: 野口昌良1
所属機関: 1愛知医科大学産婦人科
ページ範囲:P.410 - P.413
文献購入ページに移動●はじめに
クラミジア・トラコマティス(Chlamydia tra—chomatis)感染症は最も患者が多い性感染症といわれている.ところがその病態はきわめて複雑であり,急性腹症のような激しい症状を示して救急外来へ運ばれるものから,まったく無症状のまま感染が持続し年余にわたり続く腹腔内感染,あるいは卵管周囲癒着や卵管通過障害のような妊孕性を著しく障害する病態までさまざまである.したがって,はっきりした症状があってクラミジア・トラコマティス感染症を確認するための検査を行うよりは,あまり訴えのない子宮頸管炎や不妊症例における既往のクラミジア感染を知る目的で検査するような機会のほうがはるかに多い.いいかえれば,下腹痛や帯下感など症状があって検体を採取するよりは,患者の年齢やセックスライフ,性交痛や内診痛,あるいはパートナーの尿道炎などを考慮しながら,クラミジア・トラコマティスの抗原や抗体検出を行う機会が多いことを十分に認識しておかなければならない.
クラミジア・トラコマティス(Chlamydia tra—chomatis)感染症は最も患者が多い性感染症といわれている.ところがその病態はきわめて複雑であり,急性腹症のような激しい症状を示して救急外来へ運ばれるものから,まったく無症状のまま感染が持続し年余にわたり続く腹腔内感染,あるいは卵管周囲癒着や卵管通過障害のような妊孕性を著しく障害する病態までさまざまである.したがって,はっきりした症状があってクラミジア・トラコマティス感染症を確認するための検査を行うよりは,あまり訴えのない子宮頸管炎や不妊症例における既往のクラミジア感染を知る目的で検査するような機会のほうがはるかに多い.いいかえれば,下腹痛や帯下感など症状があって検体を採取するよりは,患者の年齢やセックスライフ,性交痛や内診痛,あるいはパートナーの尿道炎などを考慮しながら,クラミジア・トラコマティスの抗原や抗体検出を行う機会が多いことを十分に認識しておかなければならない.
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