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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科53巻4号

1999年04月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科外来 外来診察と検査

10.内分泌検査

著者: 松浦講平1 岡村均1

所属機関: 1熊本大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.432 - P.438

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●はじめに
 外来で行う内分泌検査でたいせつなことは,まず病歴と身体所見から内分泌異常を疑うことである.ホルモン異常の背景を考察した問診と理学所見から該当疾患の診断に不可欠なホルモン基礎値を測定する.婦人科外来で頻度の高い症状・所見と,それらに該当する内分泌疾患と診断に必要なホルモン測定項目を図1に示した.測定値の判断には,各ホルモン特有の周期変動や日内変動,さらに律動的分泌様式の理解が必要である.ホルモンの多くは,内分泌中枢(視床下部・下垂体)とその標的臓器との間にフィードバック機構を形成している.すなわち,中枢が甲状腺,副甲状腺,副腎,性腺のホルモンの産生や放出を刺激/抑制する一方,循環ホルモンレベルは中枢にフィードバックされて中枢の機能が制御される機構であり,この機構により生体のホルモン恒常性が維持されている.したがって,基礎値のみの評価では内分泌疾患の病態が十分に把握されないことも多く,種々の負荷試験が必要になる.CTやMRIなどの画像診断を行って,ホルモン産生腫瘍を診断する.基礎値の異常例を分泌過剰と欠乏症に大別し,それぞれ分泌抑制試験と分泌刺激試験が行われる(図2).また,基礎値が正常範囲内であっても予備能検査として同様の負荷試験が行われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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